●豊かな老後は待っていてもやってこない

安定した雇用、終身雇用からなる生涯賃金の試算から、長期の住宅ローンが組め、毎年上がる基本給やボーナス、予想額通り手にした退職金、確実に給付された年金、所有不動産や株の価値増大、これらの条件が当たり前に享受できていた、つい数年前までだったら、黙っていても豊かな老後は年齢と共にやって来ていたのです。ところが、誰しもがご存知の通り、戦後の右肩上がりの経済成長は終息したことは今では常識です。ということは、ただ待っていても豊かな老後はやって来ない、ということも常識だと置き換えられると思います。

それでも国がなんとかしてくれるのでは? 政治や行政システムが変われば、また昔のように豊かな老後が得られるのでは? と期待しても、残念ながら誰もその期待には応えてくれないでしょう。今の日本の政治、膨大な財政赤字、自分たちの既得権益を死守しようとする腐敗した官僚がいる限り、残念ながら期待はできません。だとすると、暗い老後をただ待ちわびるのか? それとも自分が努力して、考え、決断して少しでも可能性のある方向へ踏み出すのか? この二者択一でしか無いと思うのです。豊かな老後のスタイルは人それぞれ違いますから、自分は一体、どういう生活スタイルを送りたいのか? を明確にしないとなりません。