Kaigai Seikatsu Mates Association 「海外生活同窓会」
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はじめに
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●自分で調べることの意義

 書店に並ぶ雑誌は、どれも海外旅行情報ばかりで、海外生活や海外移住についての情報が希薄となっています。ようやく入手した海外生活情報も、いざ読んでみますと単なる観光ガイドだったり・・・。海外生活をする町の情報を知りたい!と思った場合、具体的にどんな情報が求められるのか?必要なのか?ということを事前に整理しておくことが大切です。

 極端に言えば、観光情報は一切必要ありません。海外生活や海外移住を考える場合、その町でどんな観光が出来るだろうか?ということは重要ではありません。観光ポイントは全く必要ないと言ってもいいかもしれません。大切なのは、住みやすいか?住み難いか?ということだけです。気候、物価、対日感情、日本からのアクセス、在住する日本人の数と内訳、自分の趣味やスポーツが楽しめる環境かどうか?ということに大別されるでしょう。間違ってもショッピングなどを求めてはいけません。

 また、日本企業の進出具合も気になります。特に観光産業にどれだけ日本人が関わっているか? 年間の日本人観光客の数は? 日本人観光客が多く訪れる町は、多かれ少なかれ物価が高い傾向があります。カナダ・バンクーバーの日本食レストランですら、お客が日本人と分かると、日本語のメニューを持ってきます。メニューを開くと、「チップは25%置くのが常識です」などと恐喝めいたことを書いているレストランもあります。ハワイのように、まるで東京と見間違うくらい日本化されていれば、それはそれで良いでしょうが、中途半端な日本人プライスが横行するような町では、せっかくの海外生活もシラけてしまいます。


 調べるポイント 初級編
 (1)対日感情が良いか悪いか?
 (2)日本人観光客の流入はどれくらいか?
 (3)年間を通したの気候条件は?
 (4)物価は適正か?
 (5)日本からのアクセスは良いか?


 最初は、この程度だろうと思います。と言いますのは、海外生活を考えた場合、ある程度の専門書や雑誌、情報誌、テレビからの情報で得られる範囲が、上記の(1)〜(5)だと思われるからです。ここでは、これを初級編としましたが、最初に知っておかなければならない大事なポイントである、ということをご理解ください。また、同じ条件でも、それを受け入れられる方と、受け入れられない方がいますので、個人差が生じます。たとえば、飛行機で日本から乗り換え無しの直行で行けるところでなければイヤだ、という方もいるでしょう。その場合は、直行便路線の目的地の国、町にターゲットが絞られます。あるいは、乗り換えの許容範囲が1回という方もいますし、3回まで大丈夫、という方もいるでしょう。答えは必ずしも1つだけではありません。それぞれ個人個人、違って当然なのですから、まずは、ご自分の希望や理想を考えながら、初級編(1)〜(5)を考えてみてください。


 調べるポイント 中級編
 (6)現在の金利はどうなっているか?
 (7)地震、津波、台風、ハリケーン、干ばつ、竜巻など自然災害の頻度はどうか?
 (8)食料自給率はどれくらいか?
 (9)主力エネルギーとエネルギー自給率はどうか?

 初級レベルから、さらに深い情報を求めていくと、もはや観光旅行的な情報は一切不要になってきます。たとえばエネルギー料金も重要な要素です。一年中エアコン、暖房の要らない国でしたら冷暖房費はゼロになります。冷暖房費を必要とする国の場合、自国生産で賄えているか、という点もポイントです。エネルギーのほとんどを海外に依存している日本を離れる訳ですから、せめてエネルギー自給率の高い国に住みたいものです。石油、天然ガス、石炭、ウランなどの国際価格が急騰した結果、諸物価がすぐに跳ね上がるような国は、目先の物価が安くても安心できないと思います。消費物価よりもエネルギー自給率に注目するほうが賢明です。

 食糧自給率も重要な要素を占めます。観光旅行で外国に行くのなら、おいしいレストランを食べ歩いていればいいですが、海外生活となりますと、生活費は現地の食糧事情に左右されてしまいます。日本の食糧自給率は、すでに40%を切っています。食糧自給率の低い国は、外国に依存している訳ですから、戦争、テロ、天変地異などによって価格が左右されてしまう危険性があります。いわゆる生活者リスクは、もはや世界的なレベルで巻き起こる現象なのです。そうした意味から、食糧自給率は今後、海外生活を求める場合、一番重要なポイントになると私は思っています。


 調べるポイント 上級編
 (10)その町の人口増加率と人種バランスはどうか?
 (11)不動産市場の将来予測はどうなっているか?
 (12)テロの危険性はどうか? 軍事基地や関連施設があるか?
 (13)その町の財政事情は安定しているか?財政赤字か、黒字か?

 日本人が海外移住やロングステイをする場合の候補地として、必ずバンクーバーが上位にランキングされますが、ここ数年のバンクーバーの変化には残念な兆しが見えています。財政赤字で逼迫しているバンクーバー市では公共機関のストライキが頻発し、長期化する傾向が年々高まってきました。市内バス、市役所、学校、病院、などバンクーバーの公的機関のおおよそすべてが、ストライキを実施しています。先進国では考えられない「行政サービスの完全ストライキ」が実施されるほどです。以上はバンクーバーの話ですが、観光旅行に来た方には、何ら痛くもかゆくもない話です。しかし、その町に住む立場になると、これは重要な問題になります。つまり、調べるポイントが上級編になる方は、もはやすべての観光旅行的な情報は一切不要となるわけです。

 海外で生活する上で、誰しもが思うことは、安全で快適な暮らし、ということでしょう。それでは、安全や快適というものは、誰がどうやって作ってくれるのでしょうか?これを冷静に考えてみる必要があります。最近の日本も、安全と水はタダでなくなった、と言われますが、何もせず、黙っていてお金を使わずに、安全と快適さが得られると思ったら、大間違いです。諸外国の町は、それぞれが独自財源をもっています。たいていの場合は固定資産税が、行政の税収入の中心になります。従って、人口が減少している町は、税収入が減ります。日本のように、中央からのばらまき予算などありませんから、衰退する町はどんどん衰退するのです。治安も悪くなるでしょう。環境整備に回す予算もなくなるでしょう。こうした連鎖が、プラスに回っている町か、マイナスに回っている町か、それを冷静に見極めてください。

 繰り返しますが、海外生活をするための情報は、海外旅行の情報とは全く正反対なものです。見かけの華やかさに惑わされず、冷静に分析する力が試されます。 ハワイが好きだからハワイに住みたい!は、動機としては意味がありますが、さて、それから先を調べる場合は、ハワイが好きという主観をいったん消去して、調べるポイント中級、上級という具合に進んでいくのです。自分にとって何が必要な情報か?ということが分かってくると思います。


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