Kaigai Seikatsu Mates Association 「海外生活同窓会」
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嫌な話をすると
  ・海外生活は楽園じゃない
  ・退屈病に陥る危険性
  ・日本が恋しくて帰りたい
はじめに
海外生活は誰でもできる!
海外生活スタイルの種類と違い
上手な情報の集め方
海外生活の落とし穴
海外生活こんな方法
知らなきゃいけないこと
生活の場所として
嫌な話をすると
激論・こんな日本に誰がした!?

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●海外生活は楽園じゃない

 海外生活と海外旅行は、全く別のもの。ということは、様々なテーマの中で繰り返しお伝えしてきました。しかし、実感として分かる方は、現実に海外生活を経験されている方で、海外生活の経験の無い方は、どうしても実体験として理解ができません。ですから、私は何度も繰り返しお伝えしてしまうのです。なぜなら、海外旅行の楽しさの延長線上に海外生活があると思い込んでいる方々が大変多いものですから、「実態はそんなに甘いものではないですよ」ということを、出来るだけ先に分かっていただきたいのです。

 数ある海外生活関連書籍を読みますと、やはり良いこと、楽しいことが圧倒的な量を占めています。具体的なデータを取った訳ではありませんが、私の想像では、そうした書籍の著者は、

 (1)海外旅行が豊富な方
 (2)留学やワーキングホリデーの経験者
 (3)海外生活を自ら望んでいる方


 に大別されます。つまり、今現在は日本に住んでいる人たちばかりで、実際に海外永住という立場で海外生活をしている人の書籍が見あたりません。留学経験やワーキングホリデー経験と言ってはみても、それは所詮、一時的な海外生活であり、退職移住や就労を必要とする永住とは意味が違いますので、どうしても海外生活についての自己採点が甘くなる、つまり良い部分しか見えないのだろうと思います。ましてや、今現在、日本で暮らしていれば尚更です。少しでも海外生活を体験してしまえば、もはや日本に住むことで満足感を得られないでしょうから、日本に住む立場から見た海外生活という視点になってしまうのは無理もありません。

 本来あるべき海外生活の本当の実態を知るためには、聞こえの良い情報を鵜呑みにしないように気をつけなければなりません。海外生活の利点も数々ありますが、同時に日本の生活よりも不都合を強いられることもあります。私は個人的に、海外で生活した方が良いのか、あるいは日本で生活していた方が良いのか、ということを比較した場合、60対40くらいの比率で海外生活に軍配が上がると思います。どんなに良くても、70対30くらいでしょう。

 ところが、無意識のうちに海外生活を羨望し、それが理想郷のように感じてしまう方は、100対0で海外生活の方が良いのだ、と思ってしまう危険性があります。どんな国で暮らそうとも、何かしらの不都合や不便はあるのですから、海外生活が完璧に優れているということはあり得ないと思います。

 日本を離れ、カナダで暮らしている私にも、海外生活の不都合は多々あります。
 (1)日本車が高い。
 (2)医療制度に対する不安感
 (3)日本の情報を得る不自由さ
 (4)日本食料食材の割高感と品薄感
 (5)母国語にはなり得ない英語への不安感
 (6)将来の移民政策に対する不安


 そのほとんどが、日本に比べた場合の不都合さだったり、日本人という立場から生まれる不安感によるものです。また、日本人という精神的な状態は、絶対に捨て去ることや消去することはできません。世界中、どこで暮らしていても日本人である限り、日本的な思想を基にして生きていくのです。この事実は否定できないのです。当然、日本より不都合さを感じてしまいます。それを補う努力や知恵を付けることで、我慢できる範囲であればいいのですが、我慢できなくなると、もはや海外生活は楽園では無くなります。

 そもそも、地上の楽園など存在しません。生きている限り、日常の生活を送る限り、世界のどこにいようとも現実社会の中に私たちはいるのですから、あまりドラマチックな夢を見ないでください。そのほうが、海外生活の真実を知ったとき、がっかりしなくて済みますので。


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