Kaigai Seikatsu Mates Association 「海外生活同窓会」
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●旅行と生活の違いを知る

 さまざまな準備期間を経て、いよいよ海外生活が始まります。その海外生活のスタイルは、ロングステイかもしれません。あるいは本格的な完全移住かもしれませんし、留学やワーキングホリデーのビザを利用するものかもしれません。いずれのスタイルであっても、海外生活者となった瞬間から、文字通り現地の生活に溶け込んでいかなければなりません。そして海外生活に一通り慣れてくると、精神的な余裕が生まれてきますから、今まで見えなかったものが見えるようになってきます。海外旅行では決して気が付かなかったことが見えてくるのです。

 海外生活で見えてくるものの例
 (1)日本語のテレビ番組が観たい。
 (2)インターネットを自由に利用したい。
 (3)日本の新聞、雑誌、週刊誌が読みたい。
 (4)日本の親、兄弟、姉妹、友達に会いたい。
 (5)日本の季節が恋しい。
 (6)できることなら、日本に帰りたい。


 大体、こういう内容でしょうか。 「私はそんなことありません!」、「私はそんな風に思いません!」と思う方は、下記のいずれかに該当しているタイプでしょう。

 (1)海外生活をしたことがない人。
 (2)旅行や留学や短期滞在で、楽しい経験しかしたことがない人。
 (3)単純に海外に対する憧れが強すぎる人。
 (4)海外に行ってまで、日本人と仲良くなろとは、全く思わない人。


 この(1)〜(4)に該当するはずです。 さて、ここからが実は重要なポイントになります。表題の「旅行と生活の違い」という意味は、誰でもすんなりと理解できると思います。しかし、それは「海外生活と海外旅行は違うからなあ!」というニュアンスという意味で、何となく理解できているだけなのです。もっと厳しく言えば「理解しているつもり」、「分かっているつもり」という程度です。

 それでは、一体、何が違うのでしょう? 具体的にどんなことが違うのでしょう? 考えてみてください。「理解しているつもり」、「分かっているつもり」という人が抱く海外生活のイメージは、概ね、下記のような内容になるはずです。

 (1)海外で暮らす私の周りは、いつも現地の人(カナダならカナダ人)だけがいる。
 (2)その中で、英語でコミュニケーションしている私がいる。
 (3)毎日の生活に、日本語は一切無く、日本人もいない。
 (4)このまま外国で暮らしていきたい。
 (5)日本になど帰りたくない。


 と、まあ大体こんな感じでしょう。そして、この傾向は男性よりも女性の方が強く、年齢の高い方よりも、若い方の方が顕著に現れます。ワーキングホリデーで外国生活を希望する女性は、この(1)〜(5)の全てに該当している人が、実はかなり多いのです。

 しかし、現実はどうでしょうか?最初にお伝えしましたが、

 (1)日本語のテレビ番組が観たい。
 (2)インターネットを自由に利用したい。
 (3)日本の新聞、雑誌、週刊誌が読みたい。
 (4)日本の親、兄弟、姉妹、友達に会いたい。
 (5)日本の季節が恋しい。
 (6)できることなら、日本に帰りたい。


 これは、ある意味、海外生活をしている人の心の中にある「本音」の部分です。私はカナダ移住6年目になります。その前にアメリカに半年、カナダに1年おりましたから、海外生活の年数は7年以上になりますが、私は、この(1)〜(6)の全てに該当します。海外生活をしている日本人の方は、この「本音」の内容に「その通りだと思う」とおっしゃってくれるはずです。そして、これは恥ずかしいことじゃないのです。日本人である以上、誰しもが抱く当たり前の感情なのです。

 ところが、海外生活未経験者の方は、この意味が理解できないのです。それどころか、人によっては、こうした内容を拒絶し、「私はそんなことはありません!」と怒る人もます。また、このような心境になることを、一種の「落伍者」だと信じている人もいます。まさか?と思うかもしれませんが、本当に多いのです。私は海外生活や移住、ロングステイの相談を数多くの方々から頂きますし、日本に帰国の度に、ワーキングホリデーを目指す方々にセミナーを開催していますので、年間にかなり多くの方々と接し、直接お話をお聞きしています。ある程度、予想はしているのですが、私の予想以上に、実際には「海外生活と海外旅行の違い」を分かっていない人が多いのです。そんな場合、私は以下のような質問を投げかけます。

 (1)あなたは、日本という国が嫌いなのですか?
 (2)あなたは、日本人が嫌いなのですか?
 (3)あなたは、日本語を使わなくても他国語で全く不自由なく生活していけるのですか?
 (4)あなたは、一生、日本に帰れなくてもいいのですか?


 この質問をすると、押し殺したように沈黙してしまいます。つまり、本当は何も理解できていかなった、ということなのです。「理解しているつもり」、「分かっているつもり」だったのです。

 私がここでお伝えし、ご理解を頂きたいことは、海外生活を送るにあたって、日本人とベタベタしたり日本語だけで生活するのだ、というのではありません。日本人であることや、せっかくの日本語の環境を、何も無理して拒否しなくても良いのですよ、ということです。海外生活を安全、快適に送るためには緊急時の対応も考慮しなければなりません。そのときに日本語でコミュニケーションできれば、それにこしたことはないのです。1分1秒を争うときに、辞書を引いてはいられないのです。

 冷静な大人の判断の中で、海外生活を送るために、外国生活のストレスを感じないようにするためには、必要な日本語環境というものを築きあげる努力が求められます。これが結論になります。

 海外旅行と海外生活の違いは、日本語や日本人との程良い関係作りが、
 海外旅行の場合は必要なく、求めることもない。
 海外生活の場合は嫌でも必要になってくる。


ということです。


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