Kaigai Seikatsu Mates Association 「海外生活同窓会」
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●ビザに関する知識

 観光滞在の項でご説明したことと重複しますが、ビザに関することは特に需要なので、ここでもう一度、ご説明します。観光ビザは、文字通り観光を目的にした旅行で、その国に滞在するということです。日本人の場合、ほとんどの国へはノービザで渡航が認められます。原則として3ヶ月までの滞在が許され、その後の延長申請でさらに3ヶ月が認めら、合計6ヶ月の滞在をすることが出来るわけです。観光ビザですから、すべての就労は許されません。滞在に関わる生活費は、あらかじめ用意する必要があります。

 観光ビザを利用した外国の滞在について、注意しなければならないことがあります。このことは昨今、多くの方が誤解をされ、また海外生活に関する書籍の中でも誤解を生じる文面が多く、私はいつも海外生活を求める方々に慎重にアドバイスをしておりますが、それは、観光ビザの滞在の期間に注意する、ということです。つまり、観光目的で入国し、その国に滞在する場合は、観光旅行者でなければならない、ということですが、この意味を各国の移民法的に解釈すると、滞在日数の合計が、年間の半年未満でなければならない、ということです。

 多くの勘違いの中で目立つのは、カナダに半年ほど滞在し、いったんアメリカに1〜2ヶ月出て、その後またカナダに戻って半年滞在し、再びアメリカに出て1〜2ヶ月旅行をして、カナダに戻って、という繰り返しをする、という内容なのですが、結論から言いますと、これは違法行為と見なされます。 これに対して、「まさか!」と思う方が大半なのではないでしょうか。

 まず、アメリカ、カナダ、メキシコの北米3国は出入国に関して、共同定義を定めています。出入国としてカウントしない、ということです。つまり、観光滞在においては北米という一つの国として定義しているのです。観光ビザで、上記のような方法を用い、アメリカとカナダを行き来することが合法とするならば、永遠に北米に居住できてしまう、ということになってしまいます。これは、その時点でもはや旅行者じゃなく、居住者であるということになり、観光ビザにそぐわない、ということです。

 また、カナダで6ヶ月滞在し、日本に帰国して1〜2ヶ月の滞在後、再びカナダに戻って6ヶ月滞在する、ということも違法行為と見なされます。観光ビザである限り、年間の半年未満の滞在でなければならないからです。このことの意味は大変重要で、多くの方が誤解をされていますので、もう少し深く掘り下げてみます。まず、年間の滞在日数が半年未満でなければどうなるか、と言うと、それは旅行者ではなく、居住者であり、そして不法滞在者とみなされてしまいます。これを判断するのは、各国の入国管理局の係官です。外国に到着した時、パスポートを見せて入国のスタンプを押してくれる、あの係官です。この係官の判断ひとつで、どうにでもなってしまうのですが、係官の厳しさの度合いは、非常に差があります。結果として、何も処罰が無かったという方もいますが、処罰を受けると大変なことになります。まず、入国拒否を受けます。そして5〜10年間の入国禁止を受けます。これは出入国管理法違反に適用されますから、その後の入管のデータに残ることになります。

 こうした危険性を知った上で、またそれを承知で、観光ビザで半年以上の滞在を繰り返すのでしたら、もし本当に入国拒否になっても納得ができるのかもしれませんが、こうした事情を知らずに、それがまさか違法だと知らずに、処罰を受けたとしたらどうなると思われるでしょうか? 実は私は、1990年にアメリカの入管で入国拒否を受け、10年間のアメリカ入国禁止を言い渡されました。出入国管理法違反となったのです。アメリカからカナダへ渡り、日本への帰国便がロサンゼルス発だったため、カナダのバンクーバーからロサンゼルスへ向かうときに、入管でアメリカ入国拒否を受けました。このときの精神的なショックは想像を超えるほどのもので、しばらくの間はそのショックから立ち直れないほどでした。見方を変えれば、犯罪者と同じだと思うと、今でもそのショックは消えません。

 このような危険性をはらんでいるのが、観光ビザを使った複数回の海外長期滞在です。私のような入国拒否を受けている方は、年間にかなりの数になっているはずです。ところが、自分の恥をさらすようなことを自ら世間に露呈する人はいないですから、観光ビザによる滞在の危険な実体験を知ることが、普通はできないと思います。観光ビザによる海外滞在については、長期になる場合と複数回に渡る場合に限っては、注意すべき点があることをご理解ください。

 (1)その国での滞在合計日数が、年間の6ヶ月未満になること。
 (2)頻繁な出入国は、できれば避けたほうが賢明。
 (3)アメリカ〜カナダ〜メキシコの行き来は特に慎重に考えること。
 (4)第三国経由をせず、直行で目的の国に行く方が安全。



 そして、これは肝に銘じておいてください。
 (1)全ての人が、同じ条件で観光滞在の行き来が出来ている訳ではない。
 (2)不幸にして、入国拒否を受けてしまった人もかなりいる。
 (3)不幸にして、5〜10年間の入国禁止を受けてしまった人もいる。
 (4)しかし、失敗談は表に出てこない。世間に自分の恥をさらす行為は誰もしないため。
 (5)反面、良い話、成功した話は、自慢話となって方々に出回る。
 (6)その自慢話めいたことだけを真実だと思わないこと。
 (7)外国を行き来する人の自慢話は、話半分に聞いておくこと。
 (8)各国の移民法的に、絶対安全だと思われる範囲の行き来に止めること。


 特に観光ビザでの行き来に関しては、「きっと大丈夫」、「多分、できるでしょう」、ということは、無責任に言えません。もし、そうでなかったら大変なことになるからです。

 (1)入国拒否
 (2)数年間の入国禁止
 (3)出入国法違反


 これらが、その国のあたなのデータに刻まれることになるのです。 以前、私がこのことをアドバイスしたご夫婦がおります。カナダに6ヶ月以上滞在し、一端アメリカへ数ヶ月旅行して、またカナダに戻って6ヶ月滞在し、基本的にこれを繰り返して、日本には帰らない、というので、上記のお話を説明しました。すると、

 「誰々が出来ると言っていた!」
 「もしそうなったら、二度とカナダに来なきゃいいだけでしょ!」
 「私たちには、他に行く国もあるから、関係ない!」


 というような、よく言えば強気の答え、悪く言えば身勝手な答えでした。いい歳をした大人の方でも、こうした感覚の持ち主がいます。こうなると、もはや手に負えません。


■各国のビザ情報について

各国のビザに関する詳しい情報はこちらのサイトをお勧め致します。
海外移住情報 http://www.interq.or.jp/tokyo/ystation/


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