Kaigai Seikatsu Mates Association 「海外生活同窓会」
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●不動産を購入する

 海外生活を実行していくうちに、いつまでも不安定なホテルやモーテルを利用するよりも、いっそのこと不動産を購入してしまったほうが良いのではないか?という考えが生じてくるはずです。この場合、不動産を購入することを考えるタイプの人と、そうでないタイプの人は、大きく以下のような考え方の違いがあります。

 (1)特定の町で可能な限り、長期間の海外生活をすることを繰り返し実践する人。
 (2)特定の町に限定せず、様々な国や地域で海外生活を望む人。


 お分かりのように、(1)のタイプの人は、例えばハワイが気に入ったからハワイに不動産を購入し、その後は基本的にハワイでの海外生活を実行しよう、と考えます。 (2)のタイプの人は、良い意味で欲張りであり、好奇心旺盛なのでしょう。同じところ行くよりも、違ったところへ行ってみたい、という考え方になるでしょう。

 (1)と(2)のタイプは全く違います。また、どちらが良い悪いということではありません。ただし、海外に不動産を購入する場合、(1)のタイプの方でしたら、その後の有効利用が伴いますので、購入した意味があります。しかし、(2)のタイプの方は、せっかく購入した海外不動産を、結局あまり使わない状態になってしまうでしょうから、有効利用という意味で考えるのなら、あまり賢い選択ではありません。

 しかし、仮に莫大な資産があり、銀行に預けているよりも、海外の不動産を一時的に購入しておく、というような資産保全が主目的の方は別です。

 次に、日本人が抱いてしまう海外不動産の初歩のイメージを挙げますと、
 (1)日本に比べると価格が安い
 (2)日本に比べると広い
 (3)日本に比べるとデザインが斬新


 というようになるでしょう。しかし、あくまでも「日本に比べれば」という前提に基づいた価値観でしかありません。海外の不動産物件に慣れていない方は、どうしても、このような感覚になってしまうのですが、それは誰しも同じですから、悪いことではありません。問題は、その衝動で購入をしない、ということです。

 「日本に比べれば」という感覚ではなく、「現地では」という意味合いに置き換え、考え、理解できるまでは、不動産に手を出さない方が賢明です。時間のある限り、何度でも実際の不動産を見学することを考えてみてください。ある程度の物件を見極められるようになると、もはや「日本に比べれば」という概念が払拭されているはずです。

 その場合、できれば専門家のアドバイスを受けながら、見極める目を養うと良いでしょう。ただし、販売だけを目的とする不動産業者に依頼をしますと、都合の良い押し売りセールスだけになってしまうので、要注意です。信頼できる海外在住の日本人にお願いするとか、不動産の専門家を個人的に知っている場合は、一緒に同行してもらっても良いと思います。

 私は、カナダのケロウナ市という町に住んでいます。日本で無名のケロウナ市は、カナダ人が将来住んでみたい町の人気第一位になっていますから、退職後や早期退職をしたカナダ人の多くがケロウナに引っ越してきます。人口は10年間で2倍になりましたので、もう10年以上も建築ラッシュが続き、その衰えの気配は全くありません。こうした町で暮らしていますと、何かと不動産に関わることが多く、いつの間にか、日本にお住まいの方々から依頼を受けることが多くなり、今では不動産見学&レクチャーをやっています。毎年多くの方々がお見えになりますが、私は以下のポイントをテーマにして、お客様をご案内しています。

 (1)売れやすい物件なのか、を見極めるテクニック
 (2)値下がりしやすいのか、あるいは値上がり傾向にあるのか、を見極めるテクニック
 (3)その物件で、絶対に見なければならないポイントを知るテクニック


  というように、あくまでも「物件を見極めるテクニック」を身に付けて頂くことを目的としています。カナダの物件の見極めを知っていれば、少なくともアメリカ、ニュージーランド、オーストラリアの不動産についても、多くの共通点がありますから、他の国に行った場合でも、役に立つということで、今では不動産見学&レクチャーを目的にしたケロウナへのお客様の数が一番多くなっています。

 実際に購入する場合においては、表に出てこない情報を先に入手してから、改めて検討してください。

 (1)固定資産税の額
 (2)付帯設備と共有地の有無
 (3)管理費の有無と金額
 (4)土地は借地権か所有権か
 (5)売り出されてから経過している日数


 こうしたことは、担当の不動産会社が知っているので、遠慮なく聞いてください。また、それぞれの国によって、不動産売買における法律がありますが、日本人(外国人)が購入する場合の規制があるのか、ないのか、という点は特に注意を払ってください。アメリカ、カナダ、ニュージーランドには、購入者が日本人であろうが、居住者であろうが非居住者であろうが、売買に関わる制限は一切ありません。この点は安心ですし、本来あるべき自由な売買市場となっています。

 あまり知られていませんが、オーストラリアには、一軒家やコンドミニアム等の不動産を購入する場合、日本人は法的な制限や規制を受けます。通常、人気のリゾート物件(そのほとんどは日本企業の経営)の場合は売買が自由ですが、市場価格より高めに取り引きされています。リゾート物件以外の不動産を購入する場合は様々な購入ルールが課せられていたり、日本人の場合は売却ができなかったり、購入ために必要なビザを取得する等の規制がありますから、非常に閉鎖的な取引市場と言ってもいいのかもしれません。

 外国の地で、日本人(外国人)に課せられたルールや規制があるということは、少なからず現地から歓迎されていないのでは無いだろうか?と私は考えてしまいます。また特種な条件や理由などで囲い込みを計られている訳です。オーストラリアの場合、シルバーコロンビア計画として日本政府が1980年代に推進したオーストラリアへの退職移住制度の結末が、平行して日本からの不動産投機を招きました。

 現地の不動産価格の急騰、そして日本のバブル崩壊後に、その余波を受けたゴールドコースト等、日本人への制限を加えざるを得なくなったと言われています。もっと簡単に言えば、日本のバブル景気の時、有り余ったお金でオーストラリアの土地を買いあさり、さんざん値をつり上げておきながら、あとは知らんぷりを決め込んだ日本という国はけしからん! もうシルバーコロンビア計画など廃止だ! それでもオーストラリアの不動産を買いたいという日本人には厳しい制限を加えてやれ! どうせなら日本企業が値をつり上げた物件しか買えないような規制をかけてしまえ!それ以外の不動産を購入したい場合はどうするか?・・・そうだ!買った後、売却できない法律にしてしまえばいい! それなら日本人は限られた物件しか買えなくなるし、日本の銀行やゼネコンが乱開発していったリゾート物件だけを買わせることができる! 簡単に言うとこういうことなのだ、と分析する方もいました。

 不動産購入は高い買い物になります。その買い物について、その国の法律で制限を加えられてまで購入する気にはどうしてもなれないと思ってしまいます。こうしたインフォメーションが実際には、ほとんど知らされておらず、表面的な「物価が安い」「暖かい気候」「人気のリゾート」というコピーだけが一人歩きしている、という現実を海外移住や海外生活を目指す方は、冷静に見極める必要があると思います。

 1998年に私は都合4回に渡ってオーストラリアに行って来ました。シドニー、パース、ゴールドコースト、ブリスベン。特にゴールドコーストでは日本企業が経営する俗に言う「有名リゾート」の住宅不動産を見学し、それらを販売する業者さんとお話をしました。会話の先々に出てくる言葉や雰囲気を慎重に読み取る限り、実は見かけとほど遠い不良物件なのではないか?という疑問で頭が一杯になりました。乱開発した日本のゼネコンと資金提供をした日本の銀行。今の日本が不良債権処理が遅々として進まない中、その不良債権の一部は、これらのリゾート物件を意味するのかもしれませんし、それを購入するということは実は、日本の不良債権を高値で購入することと等しいと思ってしまうと、何か釈然としない気持になってしまいます。

 オーストラリアの一般不動産市場と遊離した特種な売買価格ですから、その価格が安定し続ける保証は一切ありません。経営母体のゼネコンそのものが倒産したらどうなるのでしょう?こうした現状を知らずにゴールドコーストあたりの物件を購入することは、日本のゼネコンが抱えた不良債権を買わされることだと思っしまいます。

 以上のように、実は一般に知らされていない裏の話があるのです。後からそれを知っても、取り返しが付かないかもしれません。また、すでに購入してしまった方々は、立場上、「私は失敗しました」と、心情的に言えなくなってしまいます。 「海外生活をしているんですか、羨ましいですねえ」などと言われてしまうと、「いやあ、実は・・・」と言えないんです。

 海外で不動産を購入する場合の注意点
 (1)外国人に対する規制があるのか、ないのか。
 (2)その規制は、納得できる範囲なのか。
 (3)売買の自由があるのか。
 (4)その国の一般不動産市場の中で売買が出きるのか。


 こうしたことは、必ず知っておかなければならないポイントです。ここまで読んで頂ければ、もはや、家が広いとか、値段が安いとか、キレイだというような外的要素は気にならなくなるでしょう。そして後は、実際の不動産をつぶさに見学して頂くことで、ノウハウが蓄積されます。また、それが本当の情報と言うものです。

 海外不動産を購入する注意点やテクニックについて、全てをお伝えしようとしますと、おそらく本を一冊書けるくらいの情報量になってしまいますので、詳細はこの程度で止めます。最後に、日本人の間違った認識について、お伝えします。

 よくある日本人の間違った認識
 (1)豪華なところじゃなくていいのです。
 (2)値段は安くてもかまいません。
 (3)気に入った町で一番安い物件を求めています。


 こういう考え方は論外です。こういうことを言われる方は、

 (1)遠慮、謙遜の気持ちが強いのか
 (2)質素倹約に励んでばかりいるか
 (3)本当にお金がないだけなのか

 のいずれかです。しかし、値段が高かろうが、安かろうが、お小遣い程度の金額ではないはずです。大きな買い物になりますから、もっと資産価値として見る目を養わなければなりません。そして、本当に海外に不動産を購入するとしたら、以下の点を参考にされてください。

 (1)その町で一番高級な地域、一番人気の高い地域、一番地価の高い地域 を買う。
 (2)新築物件は買わない。築年数の浅い中古物件を買う。
 (3)一軒家よりもタウンハウス、タウンハウスよりもコンドミニアムという視点で買う。
 (4)求めている広さよりも、若干小さい物件を買う。
 (5)平均より安い価格の物件は買わない。
 
 これは、私が不動産を買う時に、いつも重要なポイントとして考えていることです。世の中には絶対ということはないですが、可能な限り失敗しない、損をしないための選び方のポイントです。


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